ルアーについて

水の抵抗のお話

ルアーを泳がせる為に必要なものとして、水の抵抗(約空気中の60倍の抵抗)があります。空気と水の密度には大きな差があり、水の密度は空気の密度の約830倍にもなるので、水中では空気中より12~13倍の粘性抵抗(粘性抵抗とはルアーの側面に起こる抵抗)が生じるのです。

抵抗と大きく言っても実は、粘性抵抗の他に造波抵抗(ルアー前面に受ける抵抗)と過流抵抗(ルアー後方に起こる抵抗)があります。

それに、水深ごとの水圧を考えなければなりません。また、水中では細くて軽い物と比較し、自重の重い体表面積の大きい物が移動する時にはより多くの運動エネルギーを要します。
簡単に説明すると、ルアーを動かす為に必要な水の抵抗がルアーを360度取り囲み動かす妨げにもなっているという事。


そこで、ルアーを作る上で一番に考えなければならないのが、潜らせたい水深とルアーのアクション! 「えー??最初に考えるのはルアーの種類じゃない の?」と、声が聞こえてきそうですが、ルアーとはシュチュエーションベイト!釣りの面から見ても、こんなところで、こんなアクションのルアーが欲しい!! と、なる訳だからそこからです。


なぜなら、超ハイピッチで2.5m潜るルアーと考えた私は、まず クランクベイトの可能性を捨てます。それは、先にも言いましたがニュートンの法則で物体の加速度は加わる力の大きさに比例し、物体の質量に反比例すること から、より速く動かすことを考え、体積も自重も大きいクランクベイトよりシャッドを選ぶからです。水圧もルアーの背中の面積を考えて!


速さ(ピッチ)だけを考えた場合、速く動くことを許されたボディとそうでないボディの差は一目瞭然です。そこに、リップと言う抵抗板を付けアクションを決めます。


そこで、考えなくればならないのが、2.5mでアクションさせられるリップの大きさ!!ボディに対して大き過ぎるとアクションは破綻し、小さいと動かない。ボディの大きさや形状もそこから出来てきます。


よくあるのが、ルアーを巻き始めた時と浮上してきた時は釣れるけど、最高深度時(一番長い距離)で釣れないルアー水圧に負けて動いてないことが多いです。まずは、水の抵抗と水圧に負けないルアーであること!

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